「フォーラム通信」2022年冬春号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2022年冬春号の特集は、「悩みに効く!私を守る言葉の護身術」「私、を生きるための韓国文学」。


>> P.4

特集1悩みに効く!私を守る言葉の護身術物心ついた時から、法事に行った時に男たちは広間でどんちゃんやってるのに母親たちは立ち働いている、なにこれって思っていました。中高はリベラルな自主自立系の女子校だったんですけど、今思うと、「女」ではなく「人間」として生きられた場所、男社会からの避難所だったんです。共学の大学に入って衝撃を受けました。男尊女卑に殴られる、という感じ。見た目いじりもされるしセクハラもされる。中高時代は自分の意見を堂々と言いなさい、と言われてきたのに、意見を言うと、女のくせにでしゃばるなと言われ、わきまえた女子がモテる(笑)生きのびるのに必死でした。会社に入った後もセクハラ・パワハラのセ・パ両リーグ!な感じで地獄だっ0代の時にフェミニたんですけど、2ズムに出会って自分を苦しめるものの正体が分かった。私、怒ってよかったんだ、と気づいて、足をどけろよと言えるようになった。それで自尊心を取り戻せたんです。今、やっと国会でも生理の貧困や痴漢の問題が取り上げられ始めましたよね。まだまだ日本は遅れていますが、色々な方が声をあげてやっとここまできた。ジェンダーやフェミニズムの本も最近、人気ですよね。実は私にもそのテーマで書いて、という仕事の依0年前だったら頼が最近多いです。1フォーラム通信2022冬春号4考えられないこと!社会の決定権を持っているおじさんたちの思想はすぐに変わらなくても、これは売れる、金になると思ったら動く(笑)。だから、そういうコンテンツを応援する、買ったりリツイートするというのも大事。選挙の投票率が上がるだけで、政治家は国民の声を無視できないって思うので、行くことが大事。おかしいことが起きたら批判する、ハッシュタグをつけツイートする、そういう小さなことで社会が動いていく。自分には何もできないと無力感を感じないで大丈夫。「男尊女卑丸」と呼ばれていたぐらいひどい人がいたんですが、娘が生まれたとたん、医大入試での女性の点数を操作した事件に怒っていたんです。あの人が……と思いましたが、もう、手のひら返しでもいい、後から気付くのでもいい、一人でも多い方がいいですよね。一人一人が小さなのろしを上げて、それを見た無関心な人が、何だろう、と気づいていく、それを続けていきたいですね。アルテイシア作家。神戸生まれ。『40を過ぎたら生きるのがラクになった』、『フェミニズムに出会って長生きしたくなった。』(ともに幻冬舎文庫)など著書多数。ケース6フェミニズムやジェンダーを知りだしてから、あまりにも日本の状況がひどくて絶望を感じてしまいます。この世界は地獄だって気づいてしまった時の絶望は、正常な感じ方だと思うので大丈夫(笑)!ある20代の方が「フェミニズムに出会って視力が良くなった気がする」と話されたんです。「昔は誰かがぶつかってきたりしても何がぶつかってきたかもわからないし、自分が悪いのかなって思ってた。でも今は、ぶつかってくる人が見えるし文句も言えるようになった。見たくないものも見えてしまうけど見えなかった時代には戻りたくないです」と。すごいいいこと言うー!と思いました。見えるからこそ対処も考えられるということですよね。ケース5女性は男性に比べ、仕事の有無、結婚しているかいないか、子どもの有無で、生活スタイルや話題が大きく変わる。いつの間にか昔の友達と疎遠に。話の合う人となかなか出会えない。実はこの悩み、一番よく聞かれます!大人になってから女友達をつくるには。イベントとかでみんなが一斉にメモリ出すんですけど、一番のコツは自分から誘うことなんです。日本人は誘われ待ち、受け身の人が多い。友達多くて良いですね、と言われますけど、私は9割自分から誘うからなんです。今だったらコロナ下ですけど「zoom飲み会しない?」でも良いと思いますし、最初は抵抗あると思いますが、どんどん誘えば慣れていきますよ。二番目のコツは、自分に合いそうな人はどこにいるんだろうと考えること。ジェンダーとかフェミニズムに興味があるなら、そういうコミュニティを見つけるとか、趣味があるんだったらその趣味のあつまりを見つける。私はネットで「大人の女子校」というコミュニティをやってるんですが、女性が安心して話せる場という共通の目的があるのでみんなすごく仲がいい。今はネットで友達を見つけるという人も多いですよ。男女共同参画センターでもいろいろな取り組みが。どんどん利用してほしいなと思います。


<< | < | > | >>