「フォーラム通信」2022年冬春号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2022年冬春号の特集は、「悩みに効く!私を守る言葉の護身術」「私、を生きるための韓国文学」。


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特集1悩みに効く!私を守る言葉の護身術悩みに効く!私を守る言葉の護身術「女子力磨けば結婚できるよ」「それくらい笑顔でかわせばいいのに」……日常で出会う、“あるある”なジェンダーの押し付け、セクハラ、パワハラに満ちた言葉への対処法を紹介して話題の本『モヤる言葉、ヤバイ人〜自尊心を削る人から心を守る「言葉の護身術」』著者のアルテイシアさんに、つらい時に実践できる言葉の護身術や、自分を守る心のもち方について、お話を伺いました。作家アルテイシアさんインタビュー『モヤる言葉、ヤバい人』を書いたきっかけは私自身、以前は人から傷つく発言とか不快な発言をされた時、言い返せなかったんです。それに、自分が気にし過ぎなのかなとか、私が悪いのかなと、すごく考えてしまい、怒りとかショックを飲み込んで、笑顔で受け流していました。そうすると、ますますなめられて、自尊心を削られていくという結果に。そういう人が女性には、すごく多いと思う。だから、過去の自分みたいな女性へ向けて、この本を書きたいなと思ったんです。相手はどういう意図で言っているのか、どうしてモヤるのかという正体も説明していますが、モヤモヤの正体がわかると安心できる。その上で適切に言い返せるようになると、自分に自信がつくと思うんです。この本を出して、たくさんの方から「怒るべき時に怒れるようになった」、「人間関係のストレスが減った」と感想をいただくので、本当に良かった!まずは護身術としての〝技〟の手数を増やして、自分で自分を守っていきましょう!ケース2家庭、学校、職場など避けられない環境に苦手な人が。毎日、どうやってやり過ごせばいいでしょうか?人の話を聞かない人、というキャラになるのがおすすめ。人の話をちゃんと聞いてあげるキャラの人は狙われやすいし、からまれやすい。“ノーリアクション侍ざむらい”になりましょう(笑)。他にも、苦手な人に話しかけられた瞬間、「ところでうちの推しがね」とオタク返しをするとか「いや〜、うちの猫がかわいくて」と、全然別の話をしちゃう。向こうから避けてくれます(笑)。小難しい話をしたり、相手が苦手な話をあえて振る“哲学返し”も良いですよ。そして、苦手な相手は学校や職場を辞めたら二度と会わない人。自分の人生に重要じゃない人にどう思われようが良いという自分の中での線引きも大事です。毒親の場合、親子だったら話し合えばわかりあえるという人いますけど、そもそも、話し合えるような親だったら悩んでいない。とにかく忙しいアピールをしてみて。2時間しか寝てねーわとか、LINEを返す余裕もないんだよねとか言っておく。また、「うちの親って毒親でしょうか」と聞いてくる人が多いですが、客観的に見て毒親かどうかはどうでもいいんです。自分の主観的なつらい、しんどい……そういう気持ちに注目して。そういう親の元で育つとずっと感情を無視されたり否定されて生きてきているので、自分だけは自分の感情を肯定してあげて下さい。ケース1友人や上司にモヤることを言われても、なかなかその場で言い返せない。何か良い方法は?まずは反射的に笑顔を返さないこと!自虐もやめていきましょう。例えば、「そんなことじゃ結婚できないぞ」と言われた時に、「いやー、モテないんですよね」と笑顔で言っちゃうと、ますますいじられます。そのかわりに、無表情で相手を見つめるだけでOK。何こいつ、ドン引き、みたいな顔をするのも良いですね。それだけでも相手はたじろぐ。こういう時、願わくば、周りも笑わないでほしい。周りも一斉にドン引きすると、言った本人もあ、まずいかもと気づく。日本の女性は、「笑顔で愛想よく」とか「嫌なこと言われても笑顔でかわす」ということを子どもの頃から刷り込まれている。反射的な笑顔を封印するだけでも効果的です!フォーラム通信2022冬春号2


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