「フォーラム通信」2021年夏秋号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2021年夏秋号の特集は、「ひとりじゃないよ、『夜廻り猫』のいる風景」、「あなたに届ける言葉のお守り」。


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ージェンダーの問題、DVの問題も描かれていますね。はい。自分の経験でもあり、新聞記事や何かで、やっぱりそうなんだと思うこともあって、描いています。日頃の人間関係でちょっと言いにくい苦労だったり、傷になってしまうようなことってたくさんあると思います。問題っていうのは、問題そのものと、それによってまた孤独になるということと、二つに分けられると思います。もし、問題が解決しないにしても、「そういうことってあるんだよね」、「同じ境遇の人が案外いるんだよ」と、やっぱり言っておきたい。DVとか性犯罪だったり、女の人がものすごい圧迫と重荷を背負わされて、しかも、それをうっかり言うこともできないということってたくさんあると思うんです。でも、「嫌な男がよく出てきますよね」と言われることが結構あって……。解決しないから言っておきたいのに!って思っています。ひとりじゃないよ、『夜廻り猫』のいる風景んあと、ワカル※注1は一応男の子なんです。ワカルを男にしているのが、私としては力を入れているとこ」みろで。男の人たちも、「男の沽たいなものはみんな捨ててほしいなと、ああいうキャラクターが生まれたんです。券けこーワカル、いいですよね!個性的なキャラクターが続々、登場して、幸せを感じる楽しいストーリーも多いですね。今後、どんな新キャラクターが出てきますか?「ふてぇ野郎だ」という言い方があるんですけど、〝悪いやつ〟みたいな、強いやつっていうのを出していきたいです。思いっきり頑張って勇気を振るわないと解決できないことがたくさんあると思うので、気のいい乱暴者というか、そういうキャラクターを出していきたいです。ー最後に、「フォーラム通信」の読者にメッセージをお願いします。これだけは嫌だなって思うのが、深谷かほる●ふかやかほる福島県出身。2015年10月、Twitterにて『夜廻り猫』の連載を開始。以後、毎夜のように更新を続け、読者の共感を得る。代表作は『エデンの東北』(竹書房)、『ハガネの女』『カンナさーん!』(ともに集英社)など。Twitterでの『夜廻り猫』の新作は月・金の夜更新。コミック『夜廻り猫』(講談社)は、7巻まで発売中。簡単に安く作れるレシピ、美味しいものがいっぱい出てくる!3館ライブラリでも大人気です。予約・貸出受付中です。平蔵さんも他の猫もいき過ぎなくて、でも傍にいる。認めてくれてるんだけど「笑え」とも言わないし、「今のあなた、ほんとにそのままでいいです」っていう感じで。人と話せないから、働いていないからダメなのかっていうとそうじゃない、たまたまそういう状況にあるだけ、というようなことがじわーっと伝わってくる。宙さんと先生の関係がすてき。帽子猫を応援してます!夜廻り猫の魅力たいことはもっと入れ込んでいきたいと思っていて温めているネタがあります。女だからこうしろみたいなのは言うな!みたいなものとか、原発反対ですとか。どかどか「問題発言」を入れたい(笑)。頑張ります。(※注1)夜廻り見習い中の猫。(※注2)当協会が発行・復刊に関わった児童書。取材後記今回、特別に表紙にお借りしたコミック3巻の表紙イラストは、実は、みなとみらいをイメージされたそう!作品中にも何度か横浜が登場しているとのことなので、探してみたいですね。弱いもの同士が戦わされるような話。そういうのだけは嫌なんだよ、やめようよねっていう気持ちがあって。女性というのは、女性であるということで弱い立場、不平等な状況に置かれているので、『夜廻り猫』では、昔からある「お局となんとか」、「姑となんとか」だったり、「専業主婦と働く主婦」とか、女の人同士が戦わされるみたいなのはやめようって思っています。『アリーテ姫の冒険』※注2も読みました。本当によかったです。「(女は)賢くてはいけない」、「口答えする女と結婚したい男なんているものか」とかね(苦笑)。私ね、この「口答え」っていう言葉がすごく嫌いなんですよ。本当に、女の人が「口答え」とか言われない世の中にしたいですね!『夜廻り猫』が終わるまでに、言い5フォーラム通信2021夏秋号


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