「フォーラム通信」2020年春号

「横浜から男女共同参画社会の実現を考える」。公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が発行する広報誌です。2020年春号の特集は、「私、の好きな人」。


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私、の好きな人〜神奈川の女性たち〜岩本えり子若山美子ほか女だからと進学を断念させられた岩本えり子は、大好きなビートルズの歌詞で英語を学び、渡米して働き、自分の力で大学へ。その後、生まれ育った茅ヶ崎の自然と景観を守るため、市民ネットワーク代表として奮闘。サザンオールスターズの桑田圭祐の姉で、名曲「いとしのエリー」のモデルとも言われます。内気で人見知りだった若山美子は、社会人になってから登山と出会い、山の美しさに魅了され、女性のみで世界初となるマッターホルンの北壁登攀(とうはん)を達成。浅田次郎の小説『銀嶺の人』のモデルにもなっています。身近なようで知らなかった神奈川の女性たちの物語を、もっと知りたくなります。『時代を拓いた女たち第Ⅲ集かながわの112人』江刺昭子・かながわ女性史研究会(2019/神奈川新聞社)*第Ⅰ集、第Ⅱ集もあります〜全力で生き、闘ったおんなたち〜金子文子エミリー・デイヴィソンほか無戸籍、虐待、貧困―どん底の境遇で育つ中で世の中の矛盾を感じ、だれよりも自由に、そして真剣に生き、国家にも服従しなかった金子文子(1903-1926)。イギリスの女性参政権を実現させる大きなきっかけを作ったエミリー・デイヴィソン(1872-1913)。既存の道徳や恋愛の枠を壊し、全力で生きて闘った、かっこ良すぎる100年前のおんなたちから、“常識”にとらわれず、自分らしく生きていいのだと教えられます。『女たちのテロル』ブレイディみかこ著(2019/岩波書店)〜世界を変えた今どきのリケジョ高校生たち〜ソフィー・ハウザーアンドレア・ゴンザレス極度のあがり症だったソフィーと、親からのプレッシャーに悩むゲーム好きのアンディの二人は、女子高校生向けのプログラミング講座で出会い、ゲーム『タンポン・ラン』を制作。男性目線のゲームが多い中、タブー視されてきた女性の生理を風刺し、女性のありのままのからだを肯定することをテーマにゲームを開発して、IT業界で大人気に。タブーを怖れず一歩進んでみると、応援してくれる人もいるのだと気づかされます。『ガール・コードプログラミングで世界を変えた女子高生二人のほんとうのお話』ソフィー・ハウザー、アンドレア・ゴンザレス著、堀越英美訳(2019/Pヴァイン)フォーラムブック「横浜に生きる女性たちの声の記録」でも、横浜のさまざまな女性たちを紹介しています。3館のライブラリ(情報ライブラリ、資料室、交流ラウンジ)で閲覧・予約・貸出ができます。7フォーラム通信2020春号


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