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地球で生きてる私たち〜WorldWomen'sNOW!〜第6回グアテマラ(左)煮込み料理「ぺピアン」(中)アティトラン湖近くの村からサンペドロ火山を望んだ景色(右)地方での乳児検診でグアテマラ共和国首都:グアテマラ市主要産業:農業(コーヒー、バナナ、砂糖、カルダモン)、繊維産業人口:1,660万人言語:スペイン語、22のマヤ系言語等(外務省HPより)◆男女格差指数(GlobalGenderGapReport2021)順位は122位。*日本は120位(156か国中)グアテマラと私2016年、JICA(独立行政法人国際協力機構)の青年海外協力隊として初めてグアテマラを訪れました。その後、フリーで働き、2020年から在グアテマラ日本国大使館で働いています。グアテマラに居続けているのは、文化の魅力、そして人柄に心地良さを感じたからです。穏やかで気さくな人が多く、人間関係の距離が心地いい絶妙な近さです。実は私はグアテマラに着いた時はスペイン語がほとんど話せませんでした。それでも根気強く私の言葉に耳を傾け、話しかけ、信頼してくれた職場の同僚やホームステイ先の家族、そして、趣味を通して知り合った友人たちの存在がとても大きかったです。私の仕事とくらし0から174主な仕事の内容は、グアテマラの政治・経済に関する情報収集です。現地の主要紙に目を通し情報収集を行うほか、現地の要人や重要人物にお会いする機会もあります。平日は905が仕事で、現在は、新型コロナウイルスの影響で、1日おきでリモートワークです。仕事終わりにシューコ(shuco)と呼ばれているグアテマラのホットドッグや、メキシカン・タコスを夫や友人と食べに行くことが楽しみの1つです。また、オンラインのカポエイラのクラスに参加する時もあります。週末は、メルカドと呼ばれている市場に行きます。市場の野菜は安くて新鮮!売り子のお姉さんがお勧めしてくれるのでつい買いすぎてしまいます。グアテマラの魅力グアテマラはマヤ系先住民族が人口の0%を占め、スペイン語の他に先住民約42言語が国語として承認されている族の2多民族国家です。各マヤ系先住民族は独自の織物のデザインを有し、多くの女性たちは洋服ではなく民族衣装を着て日常生活を送っています。とても美しく手の込んだ織物で、織物を使用したバッグや雑貨はとても可愛らしく、見ていて飽きません。また、年間を通して温暖な気候で「常春の国」と呼ばれています。主食はとうもろこしで、とうもろこし粉を水で溶いて丸めて焼いたトルティーヤをおかずと一緒に食べます。煮込み料理の種類が豊富で、その中でも「ペピアン」は、炒めた数種類の種実やスパイスと辛くない乾燥チリのペーストと一緒に野菜や鶏肉、牛肉などを煮込んだシチューのような料理です。グアテマラの女性達マチスモという男尊女卑の考えが根強く、特に地方ではまだまだ男性優位と感じる場面が多々ありますが、都市では、企業や行政の高い地位にいる女性も多く、0年以上女性が就任していま検事総長は1す。また、2012年には、初めて女性の副大統領も誕生しました。ここ数年、グアテマラだけでなく中南米で、女性への暴力がなく、性別で差別されることがない、女性が安全に暮らせる社会を望む声の高まりから、フェミニズム運動が活発になっています。そして、グアテマラでは、主婦でも小さな副業を持っていたり、教会に通ったりと、常に社会とつながっています。人と人との繋がりが強く、多様性を受け入れる器があるので、その点では日本よりも生きやすいかもしれません。現在、コロナ禍で失業者、栄養失調者が増加しました。コロナは裕福な人にはあまり影響を与えませんでしたが、貧しい人たちがさらに貧困に陥っていくきっかけになったことは確かだと思います。挨拶としてほっぺたにキスをしたり、ハグをする習慣があったのですが、今は久しぶりに会う友達とハグもできないのがとても寂しく感じます。一日も早い新型コロナウイルス感染症の終息を願っております。MihoHayasaka早坂美保学生時代から国際保健NGOなどでインターンを経験。2016年から青年海外協力隊、管理栄養士としてグアテマラの保健センターに勤務。任期後はグアテマラにて、フリーランスとして料理教室の講師などを務めたのち、現在は在グアテマラ日本国大使館に勤務。9フォーラム通信2021夏秋号